ホワイトキューブって一体何よ


疑問

こんにちは、お久しぶりです。

今回はアートに関して初歩的な疑問を持ったので、考え事を整理するためにブログを書くことにしました。


テーマは、

「ホワイトキューブってなんなの?」です。


長〜い歴史の中でアートは主に宗教的な建物や王様のお城に飾られてきましたよね。


じゃあ、いつから、どんな目的で、アートだけを楽しむ場所が出来たのでしょう?もしホワイトキューブの意義がわかったら今後作品を展示したりキュレーションする上でどういうスペースを使うのが有効かわかるかもしれませんね。

気になります。



ホワイトキューブってどんなもの?


調べてみると、すぐに答えは出てきました。


概要をまとめるとこんな感じでした。

  1. 1929年開館のMoMAが導入した展示室の形式
  2. 近代社会でアートコレクターが変化したことにより美術作品の在り方も変わったことから生まれた展示空間
  3. アートの中立性を示す空間
  4. 近代美術が鑑賞体験の純粋さを追い求めたため、何もないがゆえの可変性と柔軟性がある

https://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96

参考文献:アートスケープ現代美術用語辞典ver.2.0「ホワイト・キューブ」

松本晴子著


ふむ。宗教的、政治的な分野からアートが中立的な存在になったことを表す近代社会が生んだ空間ということでしょうか。


私はアート作品が人間の生むものである以上、どうしても宗教や政治から完璧に引き剥がして鑑賞することは無理に近いと思うのですがそれでも確かに権威的なものから、遠ざかるかもしれません。

多くの人が思っているかもしれませんが…現在はむしろ美術の権威的な場所としてホワイトキューブが機能しているように見えます。


ホワイトキューブって何ができるの?

では、ここからは意味ではなく効果について考えてみます。


今回はARTAOTA(2021年11月京都開催)と、Ah!Oh!展(2022年5月京都開催)で一緒に展示していた作家、梅原直也さんの作品《夢見》を例に挙げて考察していきます。


梅原さんには作品の話をブログに書くことと作品の写真(私が撮影した写真)を使用する許可をいただきました。ありがとうございます!


なお、梅原さんの作品ですので、本記事で掲載させていただく写真の無断使用は厳禁です。



ちなみに何故今回この作品を例に挙げるかというと、理由は単純です。


ARTAOTAで、この作品の展示空間は畳の和室でした。そしてAh!Oh!展ではホワイトキューブで展示されていました。

同じ作品が全く異なるところに展示されるとどうなるのか、考えていきましょう。



梅原直也《夢見》 撮影:さいとうえな

1枚目がARTAOTAで展示していた時の写真です。

この記事内では畳の部屋の展示を ①とします。


梅原直也《夢見》(1枚目の写真と同一作品) 撮影:さいとうえな

2枚目がAh!Oh!展で展示していた時の写真です。

ホワイトキューブでの展示の方を②とします。


この二つを比較すると、ライティング(照明)も重要だと感じますね。

①は部屋に合わせた、室内でくつろぐのに合いそうな電球色で照らされています。②は昼光色で照らされています。


気になったのでライティングのことも調べてみました。

参考にしたサイトによると電球色(暖色の光)はリラックスするのに向いており、昼光色(白っぽく明るい)ライトは細部までよくみたり集中するのに向いているそうです。

https://www.denkyuya.jp/magazine/297/

参考文献: denkyuya.com


ということは、アート作品を見るためだけの場所であるホワイトキューブの機能には光の色も大きく関与していそうですね。


次に内容の面も見ていきましょう。

ここからはかなり主観的になっていきますが、私の考えを書いていきます。



《夢見》の中ではぬいぐるみと添い寝している少年が青色に包まれて眠っています。

①の写真では畳の中にあるため、なんとなく隣の部屋にこの子が寝ていそうな気さえしてきます。親しみを感じたり、愛着も湧いてきそうです。


じゃあ②も見てみます。

この写真の中では背景が白いためか、先ほどよりも青色がハッキリと浮かび上がっています。

私は中心に位置している黄色で塗られた顔から、その周辺の青や緑にゆっくりと視線が移っていきました。

また、壁に情報量が少ないからか、筆跡にも自然と目線が奪われました。

①の時は集中して細かく見ていってから筆跡の繊細さに驚いた覚えがあります。


理にかなってるね

これまでの内容をまとめてみます。


・ホワイトキューブは近代の社会になってアートのコレクターが変わったことで生まれた、白い展示場所。

・政治的だったり宗教的なものからアートを中立的にするための象徴的な空間である。

・白い壁であるために意識が作品に向きやすく、集中して鑑賞できる。

・ホワイトキューブ内の電気が昼光色(白く明るい光)だと、なおさら集中して細かいところまで目が届きやすい。

・色使いや筆の運びなど、作品の特性が際立つ。


などが分かりました。

一見すると何にもない空間ですが、アートを見る上でかなり理にかなった空間であることがわかりました。




そしてホワイトキューブが何なのかを考えたことで付随して特殊な展示スペースの特徴も少し見えてきました。

(鑑賞者へ作品が与える印象に作用したり、光の色によってはリラックスして鑑賞できる、など)



ホワイトキューブ以外の場所は全部、その土地の歴史や建物の壁の色など完全に同じものが無いという点で

展示場所として選ぶには難易度が上がるものの場所が特別感や面白さを与えてくれる面も多そうですね。



作品と展示空間の関係性は密接過ぎて、考えることが無限にある気がしてきました。楽しい!!!





さて今回はここら辺で終わろうと思います。


素晴らしい作品を参考資料として使用する許可をくださった梅原さん、ありがとうございます!



読んでくださったあなたもありがとうございます。

それでは、また。





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