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彷徨う田舎と都会の

 わたしが小学生の時に住んでいた街は、ちょうど、田舎と都会の真ん中にあった。仙台ほど都会でもなければ、登米ほど田舎でもなかった。大きなイオンが小学校二年生の時に建った。遠足のために抹茶のポッキーを買ってもらったことを覚えている。嬉しかったのかもしれない。  小学生の時はよく親友たちと集合して駄菓子屋に行って、百円か二百円か使って、好きなお菓子を買っていた。カルメラ焼きという、砂糖の塊のような茶色くてやたら硬い三角は、わたしの幼少期の味と呼ぶに相応しい。弟の場合はなんだろう、ガブリチュウとか?  わたしと弟は休日になると、母の運転で三陸自動車道を使って登米の祖父母の家に泊まりに行っていた。おばが子犬を二匹保護して祖父母の家で飼い始めた時は狂喜乱舞した。祖父が昔たくさんの豚の飼育をしていたこともあり、裏には広い土地があった。そのスペースに飼われていた犬たちは、他の家の犬よりも自由度が高いなと子供ながらに思った。  二年前、久しぶりに犬の散歩をした。あの時引き取った子犬のうち一匹は震災で檻が壊れて逃げ出して、そこからもう行方が分からなかった。だから、弟犬だけがまだ祖父母に飼われていた。  わたしはその時革靴で帰省していたため、祖母にジャージと靴を借りて、万全の準備をして散歩に行った。犬がもういいよ、と思うくらい散歩しようと思って家を出た。  秋の朝早い時間に散歩をした。犬に時々話しかけながら、朝露が光る稲穂の中、田んぼの脇道を歩いた。その犬は昔とても怖がりで、子犬の時に一度その道を通ったら、車が怖くて泣いてしまった。わたしが抱っこして連れ帰ったことを思い出す。ねえ、ここを歩いたこと、覚えてる?  たくさん歩いたし走った。秋晴れの美しい青空と、足元を歩く犬を、写真や動画で撮った。その年に犬は死んだけれど、まだ実感は湧いていない。わたしだけがまだ田んぼ道を、走ったり、歩いたりしている。

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