安心な空間

 

お久しぶりです。

なんやかんやで、二か月ぶりの更新になってしまいました。

みなさまお元気でしょうか。



この二か月は自分のキュレーションした展示があったり(ご来場いただいた皆様ありがとうございました!)、期末テストに励んだりしていました。その間、ギャラリー巡りや美術鑑賞をできる機会がほとんどありませんでした。


そこでやっと夏季休暇に入ったので、名古屋市美術館で開催中の「ボテロ展 ふくよかな魔法」に足を運びました。


名古屋市美術館のリンク▽

https://art-museum.city.nagoya.jp/botero



ボテロの作品は今回初めて鑑賞したのですが、筆跡が目立たないすごくこだわった塗り方で、思わずサーーーッと触りたくなるようなマットな質感でした。
この塗り方と鮮やかな色使い、ふっくらとしたフォルムは絵本の絵のような魅力がありました。
しかし、目の描写、特に目頭や焦点の描写が本当に不気味でした。どの人物も、全員目が怖い。(ボテロの強みは、この一滴のポイズン......?)と勝手なことを思ったりしながら、楽しく鑑賞しました。





さてボテロの話はそこそこに、

今回私はこの記事で
「美術館が安心できる空間であるとはどういうことか」
という事を読んでいる方と一緒に考えてみたいなあと思っています。


なぜ突然安心の話なんだ、と思われたかもしれません。

きっかけからお話ししますね。
私は名古屋市美術館にはかれこれ四年ほどコンスタントに通い続けているのですが、今回初めて気が付いた(もしくは変化していた)ことがありました。その発見にとてもうれしくなったのです。
それは、名古屋市美術館の女子トイレに、自由に使える生理用品が置かれていたことです。

「生理用ナプキン?それが"安心"な設備?」
という方に、
少しだけ私がうれしく思った理由を三つ簡単に書かせてください。

一つ目は、緊急時にも作品鑑賞をすることができること。衣類が汚れているかも、と不安な状態では落ち着いて鑑賞するのは難しいですからね。

二つ目は、経済的な理由で付け替え回数を減らしている場合に助けになること。生理用品は生活において必需品で、かなりの頻度で付け替えたり購入しなければならないアイテムです。そのため、経済的に厳しい状況だとそれを買うのが負担になる場合があります。そんな状態で気軽に使えるナプキンが置いてあったら、身体的に助かるのではないでしょうか。

三つ目は、誤った教育や虐待から生理用品の購入を阻害されている子供たちにとっても手助けになることです。ボテロ展は中高生以下が無料で鑑賞できます。会期も7月半ばから9月の終わりごろまでなので丁度夏休み期間とかぶっています。夏休みで保健室などに生理用品を貰いにいけなくとも、たまたま立ち寄ってた美術館にこのような設備があったらうれしい人は多いんじゃないかと予想しました。



上記の説明で すでに伝わっているかもしれませんが、私は
来場者、鑑賞者、市民(全部言い換えていますが差異は無いです)にとって美術館が安心できる場所であることが最も理想的な姿であると考えています。



アートの世界では、作品も作家も鑑賞者もそれ以外の関係者も、身の安全や心の安全を脅かされることが悲しいことですが、おそらく常に発生しています。芸術関係の学校でのハラスメントや美術作品の破壊、監視員へのストーキング、挙げだしたらキリがないほど問題は山積みです。


しかし美術館やギャラリー、作家や団体などが安全対策のために様々な対策を講じているのも確かです。

例えば、「ケルベロス・セオリー」という展覧会では『セーファースペース』という概念が重視されたそうです。私はこの展示に足を運ぶことはできなかったものの、zineを購入させていただき、セーファースペースのことを知るきっかけになりました。
中村史子さんのレビューきっかけで私はこの展示や試みのことを知ったので引用します。


ケルベロスセオリーのTwitterアカウント▽



また、6月の最終週に私がキュレーションした「6ole展」では、studio IHA様が制作されているギャラリーストーカー対策の張り紙をお借りして会場の入り口に貼りました。入室前に足を止めて読まれる方が多くいました。

studio IHA のTwitterアカウント▽




上のような例以外にも、私は博物館系の授業で知ったことなのですが「社会的処方」の場に美術館が活用されているという例もあるみたいです。

社会的処方に関する記事▽





美術館、ギャラリー、そして創作の世界が万人に開かれている以上、多くの人が「安心できるところだな」と思えるような試みがこれから増えてほしいなと感じます。そのために、私たちはなにができるかな~と考え続けているところです。

まず手始めに、自分のブログという場で、素敵だなあと思った取り組みをしている美術館や作家、団体などをちゃんと言葉にして「最高!!!!!」と応援するところからやってみました。もっともっとこんな事例が増えてほしいので。
この記事を読んだ方の中に「この美術館のこういうところが安心できるんだよね」みたいな体験や情報を持っている方がいたら是非教えてくださいね。



さて長くなりましたが今年は四方八方で芸術祭が開催されていますね。
美術好きな方なら国外までいかれたり国内の芸術祭をハシゴされる方も多いかもしれませんね。

暑い日が続いていますが屋外展示の作品も多そうなので、水分補給や休憩を意識しながら作品鑑賞、楽しんでくださいね!
私もまた芸術祭に足を運んだら感想を記事にしようと思います。
それでは、また。




コメント

人気の投稿